エントリーはこちらから エントリーはこちらから

プロジェクトストーリー

再生可能エネルギーの普及を目指す東光高岳のプロジェクトをご紹介します。

新島村での実証試験から海外へ。
再生可能エネルギー導入拡大に向けた試み。

※部署名は取材当時のものです。

国内初、実際の電力電気系統を使用した新島村での実証試験

  • T.E 電気を停電することなしに安定して使用するには、電気を供給する量と、使用する量を瞬間瞬間で一致させることが必要となります。また、電気はためることができません。
    東日本大震災では、震災の発生後、計画停電が実施されました。地震の影響により複数の発電所が被災したため、電力を作る供給能力と、需要側が求める電力を使用する量がバランスできない恐れがあり、そのままでは大規模な停電が発生するリスクが高まっていたため計画停電を行っていたのです。

    新島村での実証試験
  • すなわち、供給側と需要側の量を合わせることで、電力を安全・安心に使用することが可能となります。2030年には、エネルギーミックス(電源構成)において24%以上を目途に再生可能エネルギーの導入が想定されていますが、再生可能エネルギーは発電電力の変動の激しいエネルギーで、天候に大きく左右されます。この変動の大きさによって、供給と需要のバランスが維持できない事態が発生します。例えば風力発電においては、いわゆる「風まかせの発電」が従来型とされてきました。

    新島村での実証試験
  • しかし、本格的に導入するには、変動によって生じる電力不足と、この電力不足によって生じる停電を防ぐため、安定した電源として使用できるよう「計画できる発電」である必要があります。そこで「計画できる発電」であるために、変動する電力の予測を用います。近年、予測の精度は上がってきているものの、外れることも想定した上で計画を立てていることが特徴です。予測では、前日に翌日の発電電力の計画を行い、当日は、30分前や1時間前に最新のデータを使って再度調整します。

    新島村での実証試験
  • 私たちは風力・太陽光発電の予測を含め、新島村での実証試験を実施しました。本実証は本土の縮小モデルと考えており、成果は本土でも活用できると考えています。

  • K.Y 東京都の新島村では、大学や東京電力様などの事業者がプロジェクトに参加する中、どのような設備を設置するべきか検討し、シミュレーションをすることが私たちの大きな役割でした。さらに、再生可能エネルギーだけでなく、化石燃料による発電や蓄エネルギー設備とあわせて効果的に協調制御するEMS(エネルギーマネジメントシステム)の構築も行いました。
    変動量の大きい再生可能エネルギーに対して、どのように変動を平滑化するか、どのような手順で実証試験を進めていくかがプロジェクトの課題でした。日本ではこれまでに、実際に使用している電力系統を活用して実証を行った例はほぼありません。停電が想定される状況下で電力系統を使って試験を行い、問題がないと確認できたことが新島村での大きな成果です。

インタビュー

新島村で実証したことを
海外につなげる

  • T.E フィリピンでは、再生可能エネルギーの導入を加速させる方針を持っています。そこで海外での事業化を目標に、新島村での実証の成果を活用したプロジェクトを展開しようとしています。国内にとどまらず、海外へも再生可能エネルギーを導入拡大するために、EMSを展開していきたいと考えています。

  • K.Y フィリピンには再生可能エネルギーの導入ポテンシャルがある地域が複数ありますので、現地パートナーの情報をもとに、再生可能エネルギーの導入を促進し事業を展開する有望地を探っています。プロジェクトとしては、これからといった段階ですが、対象地域のニーズに合わせて最適な設備構成を考え、事業化の検討を行っています。新島村で築いたシミュレーションモデルがありますが、地域によって系統モデルは変わってきます。より最適な設備構成を構築するため、現地調査に基づいてモデルのパラメータを最適化していくことが今後の課題です。
    現在は、再生可能エネルギー導入の最大化と系統の安定化、それぞれを満たすことを目標としたシミュレーションを行っています。その上で重要なことは、現地の状況や導入条件です。現地調査に携わるチームと綿密に打ち合わせし、現地で確認してほしいことを伝えながら進めています。

新島実証設備概要

  • 風力発電設備

    風力発電設備
    (阿土山風力発電所)

    <系統連系:平成28年11月>
    • ・WT:300kW×2台
    • ・併設用蓄電池容量:500kWh
    • ・PCS出力:500kW
  • 太陽光発電設備

    太陽光発電設備
    (大原太陽光発電所)

    <系統連系:平成27年12月>
    • ・PVパネル容量:318kW
      ※255W出力多結晶モジュール1440枚
    • ・PCS出力:315lW
  • 大規模蓄電池

    大規模蓄電池
    (東光高岳新島電気所)

    <系統連系:平成27年10月>
    • ・蓄電池:500kWh×2台(リチウムイオン)
    • ・PCS:1000kW×2台

国内外で最適な電力供給を
追及していく喜び

  • T.E 海外では100%を再生可能エネルギーで担おうとしている国もあり、海外からノウハウを学び日本で活かすつもりです。また、日本の電力業界は成熟期であり、高品質なだけに停電が起こると大問題ですが、逆に海外では停電が起きても平気でいる地域もあります。しかし、海外でも経済が上向きになると日本と同じ品質が求められるようになるのです。日本で培った技術と、海外で養った事業を融合し、このプロジェクトで社会に貢献していきたいというのが我々の大いなる目標です。

    業務風景
  • K.Y 新島実証で築き上げたEMSですが、フィリピンでは日本国内と電力を取り巻く事情が違うので難しさはあります。しかし、再生可能エネルギーの導入を促進するフィリピン政府の方策に携わり、一国のエネルギー事情を発展させていくことのやりがいは、何ものにも代えがたいです。今後も国内外に再生可能エネルギーを普及させ、社会に貢献したいという想いを強く持っています。

    業務風景

これからプロジェクトを担う
若い力へ

  • T.E 電力は目には見えない印象があると思いますが、ないと暮らしが成り立ちません。陰ながら社会インフラを支えるとともに、新しい事業を開拓することが当社の目指す方向です。色々なことに積極的に挑戦し、社会をささえたいという想いを持った方に、ぜひ当社で仕事をしていただきたいと思います。

  • K.Y 就職活動では自分の軸となる動機を決め、それに基づいて色々な人と話して進路を固めていくのが良いと思います。自分のやりたいことが実現できる会社を見つけ、それが当社であれば嬉しいです。 ※内容は取材当時のものです。

インタビュー